Twitterキャンペーンで人気のインスタントウィンとは？いまさら聞けない仕組みを事例をもとに徹底解説

インスタントウィンキャンペーンは、TwitterなどのSNSキャンペーンの中でも特に商品の認知拡大やフォロワー獲得などに効果的なプロモーションです。しかし、自動返信や自動抽選が必要なインスタントウィンキャンペーンはTwitter機能のみで完結できないため、なかなか手が出せないという企業も多いのではないでしょうか。そこで、本記事ではインスタントウィンキャンペーンをしてみたいけど不安があるという企業のSNS運用担当者さん向けに、インスタントウィンの仕組みややり方について徹底解説します。「どんなメリットがあるの？」「他のキャンペーンとの違いは？」「インスタントウィンキャンペーンのやり方は？」「予算はどれくらい必要？」など、インスタントウィンキャンペーンについて悩みや疑問がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

インスタントウィンとは？

まず、インスタントウィン(instant win)とは、応募するとその場で抽選結果がわかる懸賞システムのことを言います。 TwitterやLINEなどのSNSキャンペーンだけでなく、レシート写真送信で応募できるキャンペーンや、購入商品のシリアルナンバーを入力して応募できるキャンペーンなど、実店舗でのキャンペーンにも活用されています。自動的に抽選結果が送られてくるためユーザー(消費者)が気軽に応募できるという特徴があり、キャンペーン情報の拡散や購買促進につながりやすいキャンペーンの一つです。

インスタントウィンキャンペーンの仕組み

インスタントウィンキャンペーンは、キャンペーン運営側が応募条件をあらかじめ設定し、応募条件を満たす動作が行われると自動的に抽選され、当選者へ通知が行われる仕組みになっています。応募条件は利用される媒体によってさまざまな方法が利用できます。

【主な応募条件の例】

フォロー＆リツイート(Twitter)
友達追加(LINE)＆アンケート回答
レシートを撮影してキャンペーンサイトより送信

上記のことから、インスタントウィンキャンペーンを実施するには、「自動抽選」や「自動送信」などに対応した外部ツールを導入する必要があります。また、抽選結果は、該当のサービス(Twitterなど)へダイレクトメッセージまたはリプライで送信するタイプと、指定のURLにアクセスして結果が分かるタイプがあり、導入するツールによって可否が異なります。

他のキャンペーンとの違い

インスタントウィンキャンペーンと「後日抽選」型などのキャンペーンと異なる点として、プレゼント内容や当選確率が挙げられます。後日抽選型のキャンペーンでは、自社のターゲット層が「欲しい」と思うものをプレゼントとすることが多く、比較的高価なものが賞品に選定される傾向にあります。一方、インスタントウィンキャンペーンで取り扱うプレゼントは、クーポン券や嗜好品など、後日抽選型のキャンペーンに比べて安価なものに設定されることが多く、その代わりに当選数が多い傾向にあります。これは、インスタントウィンキャンペーンの「誰でも簡単に応募できる」という特性を生かし、ターゲットを限定せずに多くのユーザー(消費者)に参加してもらうためです。また、当選数を多くすることで多くのユーザー(消費者)に満足感を与えることができ、幅広く企業イメージアップを狙いたい場合に向いている手法と言えます。

Twitterインスタントウィンキャンペーンは主に3種類

Twitterにおけるインスタントウィンキャンペーンでは、主に以下の3つを参加条件に設定することが可能です。ただし、導入するツールによっては利用できない場合があるため、事前に提供元へ確認してください。

1. フォロー＆リツイート(RT)

ファミリーマートの公式アカウント(@famima_now)では、カンバセーションボタンを使って、インスタントウィンを採用したハッシュタグキャンペーンを実施しました。カンバセーションボタンは一つのみで、タップすると商品画像や指定のハッシュタグがあらかじめつけられた投稿画面が表示されます。それにより、参加するユーザーがポジティブなコメントをつけて投稿するなどのUGC(ユーザーが生成したコンテンツ)を簡単に生み出す工夫がされています。出典：湖池屋Twitterキャンペーン－コイケヤ公式Twitterアカウント

2. フォロー＆リプライ(@ツイート)

レモンクラフト #新木優子とレモクラでつながりたい－アサヒビール公式Twitterアカウント

指定のアカウントのフォローと、キャンペーンツイートに対してリプライ、またはアカウント宛に@ツイートをすることで応募できるキャンペーンです。ユーザー側にとっては、「コメントを書く」という手間が必要となりますが、リツイートとは異なり、応募したユーザーのタイムラインに表示されないというメリットもあります。企業側のメリットとしては、キャンペーンに当選したいユーザーから該当のサービスや商品へのポジティブな@ツイートが期待できるという点が挙げられます。「当選したらどんな風に使いたいか」、「○○と言えば何？」などリプライに書いてほしいことを条件に追加しておけば、消費者からのリアルな口コミやアンケートとして活用することも可能です。出典：レモンクラフト #新木優子とレモクラでつながりたい－アサヒビール公式Twitterアカウント

3. カンバセーセョンボタンを使用したハッシュタグ投稿

カンバセーセョンボタン(旧カンバセーショナルカード)とは、Twitter広告の機能のひとつで、ツイート内に設置できる最大4つの選択肢のことです。ユーザーが、カンバセーセョンボタンの中から当てはまるものを選択すると、予めテキストが入力された要綱がめんが開くため簡単にツイートでき、キャンペーン応募も完了します。リツイートではなく、ユーザー自身が投稿するUGCとして拡散されるため、企業広告よりも購買行動につながりやすく、また、ユーザー自身が「選択する」という動作が加わるため、ユーザーの印象に残りやすく、商品やサービスの認知拡大に効果的な手法です。上の“ヘパリーゼW”の例のようにクイズ形式にしたり、投票形式にして“総選挙”を行うなど、ユーザーが楽しんで参加できるような工夫がしやすい手法でもあります。出典：ヘパリーゼW（清涼飲料水）

Twitterインスタントウィンキャンペーンのメリット

Twitterにおけるインスタントウィンキャンペーンはユーザー及び企業の双方から人気のキャンペーンですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか？この項では、ユーザー側と企業側に分けてそれぞれのメリットを解説します。

ユーザー(応募者)側のメリット

応募が簡単で参加ハードルが低い
結果を待つ必要がない
Twitter内ですべて完結できる
当選しやすい

従来のキャンペーンや懸賞は、ハガキ応募などの手間がかかったり、個人名や住所の入力などが必要となるケースが多く、参加ハードルが高い印象がありました。それに比べ、インスタントウィンキャンペーンは簡単に応募できるため、懸賞に参加したいユーザーにとっては大きなメリットになります。また、抽選結果が届くまで数日間待つ必要がなく、“運試し”のような感覚で応募できる点もユーザーの興味をひきやすいポイントになります。

企業側のメリット

多くのユーザーにリーチできる
フォロワーの増加が期待できる
抽選や当選者への通知が自動化されるため
手間を省略できる

インスタントウィンを採用したキャンペーンは、前述した“ユーザー側のメリット”が多い分、応募数も多くなる傾向にあります。そのため、「フォロー＆リツイート」を応募条件にしておけば、キャンペーン情報を広く拡散することができ、フォロワーを増やすことが可能です。また、Twitterにかかわらずキャンペーン施策は企画、クリエイティブ制作、プレゼント選定など、非常にやることが多く、多くの労力を費やします。インスタントウィンを採用すれば、通常とても時間のかかる抽選作業や抽選結果の通知はツールが自動的に行ってくれるため、その分の労力や時間をキャンペーンクリエイティブの制作や企画などほかのことに使うことができます。このように、キャンペーン応募したいユーザーにとっても、企業にとっても様々なメリットがあります。

外部ツールをえらぶ際のポイント

前述したように、Twitterでインスタントウィンキャンペーンを行うためにはそれに対応した外部ツールを導入する必要があります。インスタントウィンに対応したツールは様々な企業から提供されており、それぞれに「機能」や「価格」、「サポート体制」などが異なります。そのため、「どのツールを導入するのか？」は非常に重要なポイントになります。実際に、導入するツール選びに迷った場合は、下記のポイントに注意し選定してみてください。

POINT 1

自社が希望することにすべて対応しているか

当たり前のことですが、導入するツールが希望する内容がすべて対応しているかどうかを調べておきましょう。そのためには、ツールを導入してから「実はあれもしたかった」と後出しにならないよう、ツール選定の前にキャンペーンの詳細を綿密に詰めておく必要があります。たとえば、抽選機能として“参加条件をクリアしているかをチェックする”ほか、ツールによっては当選条件を“○○をすると当選確率2倍“に設定したり、そのほか当選条件を細かく設定できるツールもあります。

【ツールによって対応可否がことなるものの一例】

抽選結果の通知方法(DM、リプライ、URLなど)
プレゼントの用意・発送作業
デジタルマネーとの連携
消込型のクーポン配布
キャンペーン終了後の分析情報のダウンロード

すべてを外注に頼るとその分費用も膨れ上がります。外部ツールにどこまでを求めるのか、予算と照らし合わせてきっちり決めておくことが大切です。

POINT 2

価格設定が妥当か

外部ツールを導入するには相応の費用が発生します。価格設定に関しても、各ツールによって大幅に違いがあるため、自社の予算と比較し最も費用対効果の高い結果が得られるようなツールをリサーチしましょう。一般的なインスタントウィンツールの予算相場は以下の通りです。

初期費用：50,000～100,000円程度(製作費は除く)
月額費用：100,000～500,000円程度

※キャンペーン内容や期間によって変動する可能性があります。ツールによっては、月額プランでなくキャンペーン1回ごとに課金する場合などもあり、課金方法も各社で異なります。また、キャンペーンで実現させたいことがプラン内の料金で収まるのか、もしくはオプション契約が必要なのかという点も見落としがちなポイントのため、必ずチェックしておきましょう。

POINT 3

サポート体制がしっかりしているか

外部ツールは使い勝手も重要です。導入したはいいものの、“使いこなせない”“操作性が悪く時間がかかる”という状態では導入する意味がありません。導入前に実際の操作性が確認できる場合は、必ず確認しておくことをおすすめします。また、問題が生じた場合に、即時でサポートしてくれる体制が整っているかも確認しておきましょう。キャンペーン期間中に不具合が発生した場合は早急な措置が必要となります。そういった場合でも、きちんと即対応してくれるツールは安心して利用できます。

POINT 4

実績はあるか

一概に、実績が多ければよいとは言い切れませんが、実績や他企業からの口コミは非常に参考になります。例えば、自社が実現させたいキャンペーン内容と同じようなキャンペーンを過去に行っているか、また同ジャンルのアカウントでキャンペーンを行った実績はあるかなどをチェックしてみましょう。

インスタントウィンを使ったTwitterキャンペーン事例

それでは、インスタントウィンを使ったTwitterキャンペーンの参考事例を4つご紹介します。

ファミリーマート

NITORI

大手家具店のニトリ公式アカウント(@NitoriOfficial)では、インスタントウィンを採用したフォロー＆リツイートキャンペーンと同時に、写真投稿キャンペーンを開催しました。インスタントウィンキャンペーンで情報を拡散するとともに、写真投稿キャンペーンで有益なUGCを生み出すことで、話題作りに成功している例です。

LINEマンガ

LINEマンガの公式アカウント(@LINEmanga)では、“あなたの好きな漫画全巻分”のポイントが当たるとして、インスタントウィンを採用したフォロー＆リツイートキャンペーンを実施しました。賞品をあらかじめ決めず、「ユーザーの好きな漫画」といしたことが話題となり、広く拡散されました。また、抽選結果をTwitter上ではなく、LINEマンガアプリ内で確認できるような仕組みを使ったことで、キャンペーン情報の拡散やフォロワー獲得だけでなく、アプリDL数の増加も狙ったキャンペーンとなりました。

QUOカードPay

QUOカードPayの公式アカウント(@QUOcardPay)では、ほぼ毎日インスタントウィンを採用したフォロー＆リツイートキャンペーンを実施しており、毎日2万件近くものリツイートで拡散されています。定期的にキャンペーンを行うことで、キャンペーンで獲得したフォロワーに継続してもらう工夫が見られます。

インスタントウィンキャンペーンを行う際の注意点

Twitterキャンペーンを行う上で、注意しなければならないのは「Twitter公式のガイドラインとルール」です。インスタントウィンキャンペーンを実施する際は、「自動化ルール」と「キャンペーン実施についてのガイドライン」の2つについて遵守する必要があります。

自動化ルール

Twitterでは、インスタントウィンキャンペーンのような自動化された返信や投稿を行う際のルールを定めており、以下の条件が満たされている場合に、自動化された返信(オートリプライ)や@ツイートを送信することができます。

返信を自動投稿する前に宛先の利用者がTwitter上でメッセージを要求していた、または、メッセージを受け取る意思を明確に示していた。
上記のような利用者に対して自動化された返信を簡単に停止できる明確な手段を提供し、即座に対応する。
利用者の1回の反応に対して、自動化された返信を1回のみ送信する。
自動化された返信は、利用者の元のツイートに返信する形で投稿する。
自分のツイートに対して特定の対応があった場合に、自動化された返信を受け取ることに同意したことになると明記されている。
自分への@ツイートで返信を受け取ることを明確に希望または意思表示している。

また、自動化された返信や@ツイートを利用するアカウントは以下の点にも注意するよう喚起されています。

返信を適切にチェックし、センシティブな画像/動画だけでなく、ユーザー名、表示名、ツイートの本文にもセンシティブな言葉が含まれていないことを確認する
@ツイートまたは返信を送るツイートがまだ存在しているかどうかチェックする

参考：Twitterの自動化開発ルール | Twitterヘルプ

キャンペーン実施についてのガイドライン

Twitterでは自動化ルール以外にも、キャンペーンを行う際のガイドラインを設けています。

複数アカウントを作成させない複数アカウントを作って応募したアカウントは当選資格を失うことを必ず明記してください。
繰り返し同じツイートをさせない 1日に複数回同じツイートをした場合は当選資格を失うことを明記することを推奨してください。(※同じツイートを複数回行うとアカウントが停止されるなどの可能性があるため)
すべての応募を確認できるように、主催者の@ユーザー名を含めてツイートしてもらう＠を付けてもらうことで自社の＠ツイートに必ず表示させるため、確認漏れを防ぐことができる。
キャンペーンに関連する話題を盛り込むように推奨する関連性のないハッシュタグを使用することでTwitterルール違反となる場合がある。
Twitterルールに準拠する Twitter上のルールに準拠する。
適用法令および規制法令や規制は必ず準拠していることを確認する。

参考：キャンペーンの実施についてのガイドライン｜Twitterヘルプセンターこれらのルールに違反した場合は、アカウント凍結などの恐れがあるため、必ずキャンペーン実施前に確認しておきましょう。

まとめ

インスタントウィンキャンペーンで効率的なマーケティングをしよう いかがでしたでしょうか。今回は、インスタントウィンを使ったキャンペーンについて、仕組みやメリットなどを解説しました。インスタントウィンキャンペーンは、参加ハードルが低く、多くのユーザーが参加しやすいキャンペーンであり、SNSを運用する企業において、ぜひ取り入れたいマーケティング手法と言えるでしょう。インスタントウィンキャンペーンは、応募条件や導入するツールによってさまざまなキャンペーンを実施することが可能です。キャンペーンを成功させるためには、事前にキャンペーンの目的を明確にし、自社のファン層の分析を行うことで、目的やターゲット層へ向けた的確な方法を選びましょう。これまでSNSキャンペーンで成果を感じられない場合は、インスタントウィンを使ったキャンペーンにチャレンジしてみてはいかがでしょうか？

Twitterキャンペーンで人気のインスタントウィンとは？ いまさら聞けない仕組みを事例をもとに徹底解説