PR担当や広報担当であれば、Twitterのインスタントウィンに関わった経験があるかもしれません。 できればたくさんのユーザーにツイートを拡散してもらいたいですよね。

あなたはこんなお悩みを抱えていませんか？ インスタントウィンの成功は、導入前の準備にかかっているのです。 目的を明確にしたうえで、どんなツールを利用するか考えなければなりません。 この記事では、インスタントウィンについて詳しく解説します。 直近でキャンペーンを行う予定がある人は、ぜひ最後までお付き合いください。

インスタントウィンキャンペーンとは

インスタントウィンキャンペーンとは、TwitterをはじめとするSNSで用いられる販促活動です。 個人で実施するよりは、法人が主体となって行う場合が多いでしょう。 企業の公式アカウントのフォロワーを増やし、効率よく宣伝活動をするのに便利なのです。 主な目的は2つ。

SNSが発達した現代において、TwitterやInstagramを販促に利用するのは必須。 情報拡散にかかる時間と費用を節約できるメリットがあるからです。 ただし、流行っているからといって安易にキャンペーンを実施しても効果は期待できません。 インスタントウィンの目的を決定し、それを実現するための的確な行動が求められるのです。 成功するかどうかは事前の準備にかかっていると心得ましょう。

インスタントウィンは2種類

キャンペーンの実施方法は2つあります。

1. 配信形式の違いによる方法

配信形式は、さらに2つのパターンに分かれます。

2. 自動リプライ機能を活用する方法

自動リプライ(オート返信)機能とは、Twitter上でユーザーが何らかのアクションをした際に システムから迅速に返信するもの。 手動とは比べ物にならないスピード感あり。 やはりこちらも2つに分類できます。

インスタントウィンを活用すべき3つの理由

実施方法の種類がわかったところで、なぜインスタントウィンを実施すべきか説明します。

1. ユーザーとの接点が増えることで、 効果的なキャンペーンを目指せる

キャンペーンに参加する時点で、ユーザーは公式アカウントのフォロワーになります。 なおかつリツイートや公式LINEの友達登録などが参加条件とされるので、 「接点ができる＋情報拡散を期待できる」のです。 TwitterをはじめとするSNSの利用者は多いので、インスタントウィンとの相性は抜群ですね。

2. キャンペーンの運用コスト削減になる

インスタントウィンのメリットは、抽選の結果やギフトの付与が一括で行える点。 その特性上、ギフトは比較的安価なデジタルクーポンやポイント配布などが選ばれる傾向があります。 たとえば「2泊3日のハワイ旅行プレゼント」となると、費用や手間がかかりますよね。 しかも少数の応募者にしか当たりません。 “浅く広く手ごろ”なキャンペーンができるのがインスタントウィンの強みなのです。

3. 予算に適した柔軟なキャンペーンが可能

すでに(2)で述べたように、インスタントウィンのプレゼントはデジタルギフトが好まれます。 よく使われるのがAmazonのギフト券や割引クーポン。 トライアルユーザーを獲得するため、自社製品や新商品を送付するケースもあります。 予算や配布人数の都合に合わせ、リーズナブルなものからややお高いものまで選べるのがメリット。 担当者次第で、好きなように設計できるのです。

インスタントウィンの導入方法

ここからは重要なパートに入ります。 キャンペーンの種類やメリットがわかったところで、何から始めればいいのでしょうか？ 運営に携わる人は、ぜひしっかりと目を通してくださいね。

1. キャンペーンの目的やKPI、内容を詰めておく

KPIとは「Key Performance Indicator」の略称です。 わかりやすく言い換えると、組織の目的を達成するために必要な業績評価の指標。 いわばキャンペーンの軸にあたります。 最終目標に到達するために必要な戦略を練る工程ですね。 どんな目的でキャンペーンを実施し、どんな成果を出したいのか？ 非常に大切なポイントです。 その重要性を理解したところで、次は具体的な設定の仕方を知りましょう。 たとえば下記のような内容です。

【目標設定の例】

キャンペーンを実施する背景によって変わるので、あくまでも一例です。 ぜひ参考にしてみてください。

2. キャンペーンツールを導入する

目標設定が完了したら、次のステップに移行します。 インスタントウィンを実施するツールを選び、導入しましょう。 詳細は後ほど詳しく解説しますが、必ずオートリプライ機能付きのものにすることを強く推奨します。 なぜなら、ユーザーはいつどのタイミングで応募してくるかわからないから。 担当者がいちいち手作業で返信するのは大変ですよね。 運用コスト削減とも関係してくるポイントです。

3. 運営体制を整える

自社のキャンペーン戦略に即したツールを導入し、いざ動き出す前にやるべきことが。 それが運営体制の構築です。 実施期間中にクレームやトラブルの対応をしたり、問い合わせに返信したりする人員を確保しましょう。 戦略がしっかり練られていても、それを動かすメンバーが不足していては意味がありません。

実際にあった4つの成功事例

ここでは、実際の成功事例4つを紹介します。 いずれもあなたが知っているであろう有名企業からピックアップしました。 ちなみにインスタントウィンのさきがけは、2016年にコカ・コーラ社が実施した ヨーグルスタンドのキャンペーンでした。 これまでにないTwitterの活用方法で、大きな成果を出したモデルとして有名です。

ローソン

トップバッターは認知度抜群のローソン。2019年の3月に実施したキャンペーンです。 人気商品の「マチノパン」から、チーズブルを無料プレゼントするという内容。 投稿を見た時点で購買意欲をそそるよう、動画でパンのおいしさを存分に表現しています。 フォロー＆リツイートで応募が完了するタイプ。 13万件以上のリツイートがありました。引用ツイートや「いいね」の数も多かったですね。 ローソンのインスタントウィンの特徴は下記の3つ。

重要なのが、定期的なキャンペーンです。 キャンペーン終了後にフォロー解除する人は一定数おり、一時的な増加にとどまる場合も。

マクドナルド

言わずと知れたファストフード店の代名詞。 同社が2017年に行ったのは、やはりフォロー＆リツイート形式のキャンペーンです。 マックカード2,000円分が100名に当たるというもの。 リツイート総数は4万件以上、引用ツイート及び「いいね」の数からも、相当な人数の参加者が いたとわかりますね。 実際の投稿を見ると、確かにユーザーを惹きつけるポイントがあります。 ルーレットが回る動画が添付されており、遊び心がたっぷり。

NETFLIX

大手の動画配信サービスが打ち出したのは「＃ネトフリ福袋」。 対象となる投稿からフォロー＆リツイートすると、ユーザーの過去ツイートから判断したオススメ作品がリプライで通知されます。 2018年の年末に実施されました。 季節柄、Netflixで動画を観る人は多かったと思われます。 適切な時期に適切なキャンペーンをした好例でしょう。

株式会社ハークスレイ

会社名だけではピンと来ないかもしれません。 同社が展開するお弁当のチェーン店「ほっかほっか亭」のインスタントウィンです。

特筆すべきは、TwitterとInstagramをうまく組み合わせたところ。 Twitterで落選した人をInstagramに誘導し、ダブルチャンスを提供しました。 その誘導効率は、なんと178％！ フォロワーの増加数は過去最大級だったとのこと。

キャンペーンを実施する際の5つの注意点

インスタントウィンを実施するにあたり、気を付けるべきポイントは５つ。

それぞれ解説しましょう。

オートリプライツールの利用が大前提

既存のキャンペーンでは、当選結果はアナログでお知らせする手間がかかっていました。 インスタントウィンの特徴は、抽選の申し込みから結果の通知まで一本化されているということ。 このシステムを導入するには、Twitter社への利用申請が承認済みの自動返信機能が必須なのです。 規約を知らないと、利用申請が必要だと知らずにキャンペーンを実施してしまう可能性があります。

Twitter社に申請にする時間を考慮して準備期間を設定する

「Twitterリミット」なる規約には、下記の内容が定められています。

担当者はTwitter社に「リプライ数とDM送信数の上限を引き上げる申請」をしておきましょう。 公式アカウントでは、相当な数のリプライが想定されます。 上限数を超えると、アカウントが凍結されてしまうかもしれません。 目安としては、キャンペーンの1ヶ月前までに申請しておけば余裕をもって準備できるはず。

ツイート数よりも当選者数を多く設定する

キャンペーンによっては、毎日参加を促す形式もあります。 期間中の当選者の総数がキャンペーン日数・ツイート数より少ないと、当選ゼロのツイートが発生する可能性が。 全ての参加者が当選するキャンペーンは存在しませんが、可能な限り公平性を担保すべきです。

Twitterの規約に即したキャンペーンを行う

公式アカウントであれ個人のアカウントであれ、ルールを守るのは同じ。 一般的なガイドラインとポリシーでは、ツイートとリプライについて順守すべき ポイントをまとめています。

上記はあくまで一部ですが、これらの他にもさまざまな規約が存在するのです。 PR担当やキャンペーン担当であれば、いちど確認しておきましょう。 内容を網羅する必要はありません。 わからなければ調べつつキャンペーンを進めるのが安全です。

景品の金額は最大で10万円以内におさえる

インスタントウィンは、景品表示法上の「クローズド懸賞」にあたります。 ギフトは何でもいいわけではなく、最大でも10万円相当の商品でなければなりません。 わかりやすく言うと、高価な家電製品や家具といった商品はさけるべきです。 通常のギフトはわりと安価で気軽に設定できるものが多いとは思いますが、ご注意を。

ツールを選ぶ3つのコツ

インスタントウィンツールは、かなりの種類が、各企業より販売されています。 どんなツールを使用したら良いか、迷ってしまいますよね？ キャンペーンに即したツールを選ぶポイントをお伝えしたいと思います。 結論から述べると3つあります。

会社によってそれぞれ異なる意図があり、それを達成するために適切なものを選ぼうというのがこの項の趣旨。 悩める担当者は、ぜひじっくりと目を通してくださいね。

自社のキャンペーン形式に対応できる機能があるか

インスタントウィンの大前提はオートリプライですが、それ以外にもバリエーションはあります。 フォローと特定のハッシュタグ投稿を組み合わせる。 あるいはフォローとリツイートを参加条件に設定する。 選択肢は多い方が絶対にいいと断言します。 「自社の目標＝ゴール」に到達できなければ、キャンペーンを実施する意味がありません。 また、そのツールを導入することで運営側の負担が減るかどうかも重要。 かえって手間がかかるのでは意味がないですよね。 見落としてはいけないのが、円滑な商品提供ができるシステムの有無。 当選発表後、プレゼントが速やかに発送される仕組みが整っているツールが望ましいです。

サポート体制とセキュリティ面に不安がないか

ツールを提供する会社がTwitterの規約を順守しているか否か。 上記は必須の確認事項です。 ルールを守らなければ、キャンペーンの安全性が確保されません。 なお、オートリプライ機能を利用する場合はTwitter広告取扱代理店からの広告出稿が必要。 さらに、ツールを提供する会社の実績を見ましょう。 取引のある企業・キャンペーン実施後の成果などは必ず確認すべき。 費用を安く抑えられるからと、料金だけで決めるのはご法度です。 そして問題が発生した時の対応やサポート体制。 これらも極めて大事なポイントなので、事前に抜かりなくチェックしましょう。 予期せぬシステム障害が発生したり、不明点が出てきたりしたときに解消できるか。 何かトラブルが起きてからでは遅いです。

契約プランに柔軟性はあるか

キャンペーンツールは、インスタントウィンの成功を左右する要素。 できれば複数の会社を比較し、そのなかから自社にとって最適なものを選びましょう。 具体的には、費用と契約期間を比べるのがベスト。 基本料金にともなう追加費用、および自社の運営コストを考慮します。 また、単発でのツール導入にとどまらず「サブスクリプション型契約」ができるかも大事。 効果が芳しくないのでさらにキャンペーンを追加したり、同時コラボ企画を打ち出したりするケースは珍しくありません。 なぜなら、Twitterのプロモーションにおいてもサブスク型や複数回のセット販売が主流になりつつあるからです。 他のSNSと比べて情報拡散力が期待でき、しかも幅広い年代に訴求可能。こんなに便利なものはないでしょう。 当初からキャンペーンが長期にわたると予測できるならオススメですね。

まとめ

今回は、インスタントウィンについて解説しました。 改めて記事の内容をおさらいしましょう。

なかなかボリュームがあったので、内容を把握しきれなかったかもしれません。 わからない箇所は何度でも読み返してくださいね。 これからキャンペーンを実施する予定がある。 実施しているが目に見える成果が出ていなくて悩んでいる。 そんなお悩みを抱えている担当者は、ぜひ記事を参考にしてください。